電子サイン機能を使用する人

Acrobat Proの電子サイン機能の特徴やメリットを詳しく解説

2023/10/01

電子サインとは、電子契約に欠かせないもので、契約書における印鑑の役割を果たすものです。しかし、電子サインを導入したものの、機能が複雑で使いづらかったり、業務効率化が思うように進まなかったりする企業が多いのではないでしょうか。

Acrobat Proの電子サイン機能なら、契約書の作成から署名まで、直感的な操作で行えます。

この記事では、Acrobat Proの電子サイン機能の特徴やメリット、使い方についてご紹介します。

Acrobat Proの電子サイン機能とは?5つの特徴を紹介

電子サインをする人
Acrobat Proの電子サイン機能を解説

Acrobat Proは、PDFの変換や編集を行うツールです。実は、Acrobat Proには電子契約が可能な電子サイン機能もあります。ここでは、Acrobat Proの電子サイン機能の5つの機能を紹介します。

幅広い法的要件に準拠している

電子契約の締結においては、契約の法的有効性が担保されていることが重要です。
電子署名法第2条第1項には、以下の2つの要件が規定されています。

  • ・当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること
  • ・当該情報について改変が行われていないかどうかを確認できるものであること

言い換えると、署名者の本人確認が可能な本人性と、第三者による改ざんを防ぐ非改ざん性、これら2つを担保することが電子署名においては重要です。Acrobat Proの電子サイン機能は、これら本人性と非改ざん性を担保することで、日本法をはじめ多くの国々の法令において法的有効性が担保されており、安心して利用可能です。

会社名やロゴをカスタマイズできる

電子サインのロゴやURLを変更したい場合は、Acrobat Proの電子サイン機能がおすすめです。

2022年8月のアップデートにより、デフォルトのAcrobat Sign ロゴをカスタマイズできるようになりました。例えば、Acrobat Proの画面やメール内に表示されるロゴをカスタマイズし、自社のロゴに変更可能です。また、署名ボックス内のURLの会社名を変更し、全てのユーザーにまとめて設定できます。

この機能を使えば、電子サインの会社名やロゴを通じてブランディングを強化し、顧客に好印象を与えられます。

テンプレートを共有できる

Acrobat Proの新機能のひとつが、よく使う契約書をテンプレート化する「テンプレート共有」機能です。作成したテンプレートは、組織内で共有したり、別の契約業務で再利用したりできます。

また、契約書などの文書ファイルだけでなく、署名フォーム(フォームフィールドレイヤー)のテンプレートも共有可能です。例えば、注文書や請求書など、内容が毎回異なる文書の場合は、署名フォームのみテンプレート化することで、電子サインの手間を省けます。契約書の作成に毎回時間がかかっている場合、テンプレート共有機能が便利です。

同じ契約書類を一括送信できる

Acrobat Proは業務効率化にも役立つツールです。Acrobat Proで作成した契約書は、一括送信機能でまとめて署名依頼を送れます。例えば、新入社員を採用した際、雇用契約書をひとりずつ送付するのは非効率的です。

Acrobat Proの電子サイン機能なら、同時に50件までの宛先を指定して、同じ契約書類を一括送信できます。契約書を複数人に送る作業に手間を感じる場合は、一括送信機能で解決可能です。

署名用のWebフォームを作成できる

特定の相手ではなく、不特定多数の相手にまとめて署名依頼を送りたい場合は、Acrobat ProのWebフォーム機能を利用しましょう。誰でも簡単にサインできるWebフォームを作成し、相手にURLを教えることで署名を収集できます。

Webフォームはノンプログラミングで作成できるため、専門的な知識やスキルは必要ありません。例えば、オンラインで契約や申請を受け付けたい場合は、Webフォーム機能があると便利です。

Acrobat Proの電子サイン機能を利用するメリット

電子サイン機能を使用することで円滑にビジネスが進むイメージ
Acrobat Proの電子サイン機能のメリット

電子サインにAcrobat Proを利用するメリットは以下の6点です。

  • ・利用回数無制限で使える
  • ・契約書を安全に保管できる
  • ・国際標準規格に準拠したPDFを作成できる
  • ・PDFの編集やコメント追加ができる
  • ・多言語に対応している
  • ・契約に関する業務を効率化できる

Acrobat Proなら、契約書の作成・編集・署名・保管がひとつのツールで完結します。

利用回数無制限で使える

2022年8月のアップデートにより、Acrobat StandardとAcrobat Proの電子サイン機能が無制限に使えるようになりました。従来は電子サインの件数が年間150回までに制限されていましたが、今後は利用回数の残りを気にせず、何度でも署名依頼を送信できます。

これからは個人利用向けの電子サインツールとしてではなく、企業や法人利用に適した電子サインツールとしてAcrobat Proを活用できます。

契約書を安全に保管できる

Acrobat Proでサインした契約書は、Adobe Document Cloud上で安全に保管されます。さらにAcrobat Proなら、契約書のセキュリティを強化するさまざまな機能を利用可能です。例えば、文書を特定のユーザーにしか閲覧できないようにしたい場合、PDFにパスワードを設定しましょう。

また、閲覧制限用だけでなく、編集制限用のパスワードを設定すれば、文書の改ざんを防止できます。その他、PDF作成者の名前などの個人情報を削除する機能や、見られたくないデータを墨消しする機能も利用可能です。

国際標準規格に準拠したPDFを作成できる

Acrobat Proなら、PDFの国際標準規格(ISO32000-1)に準拠した契約書を作成可能です。国際標準規格に準拠しないツールで契約書を作成した場合は、閲覧時にPDFが文字化けやレイアウト崩れを起こす可能性があります。

また、PDFでやりとりされる文書の9割近くは、Acrobat Readerで閲覧されます。世の中の大半で利用されるAcrobat Readerが閲覧を保証しているのは、Acrobatで作成されたPDFのみです。PDFの契約書を作成する側も、閲覧する側も、意図しない紛争を生まないために、確実なPDF閲覧環境を保証し合うため、Acrobat Proの電子サイン機能を利用しましょう。

PDFの編集やコメント追加ができる

有料のAcrobat(Pro/Standard)には、PDFの閲覧だけでなく、直接編集したりコメントを追加したりする機能があります。

  • ・テキストや画像の編集
  • ・新しい段落の追加
  • ・書式設定の変更
  • ・コメントの追加

例えば、作成した契約書に不備があった場合、PDFを直接修正可能です。また、PDFを他のユーザーと共有し、フィードバックのコメントをリアルタイムに取得できます。契約書のレビューを行うツールとしても活用可能です。

多言語に対応している

Acrobat Proは、合計26の言語に対応しています。

英語 デンマーク語 トルコ語
フランス語 フィンランド語 ハンガリー語
ドイツ語 ノルウェー語 ウクライナ語
日本語 中国語(簡体) スロバキア語
イタリア語 中国語(繁体) スロベニア語
スペイン語 韓国語 フランス語(北アフリカ)
オランダ語 チェコ語 ヘブライ語(中東)
ポルトガル語(ブラジル) ポーランド語 アラビア語(中東)
スウェーデン語 ロシア語

多くのPDFツールが日本語・英語・中国語といった3〜4言語程度にしか対応していないため、グローバル展開を行っている企業の電子契約・PDF文書のやりとりにも最適です。

契約に関する業務を効率化できる

Acrobat Proには、PDFの作成や電子契約に必要なツールが全て揃っています。紙の契約書を用いた書面契約と比較して、契約業務を大幅に効率化可能です。

例えば、書面契約の場合、契約書の印刷、製本、記名押印、郵送などに時間がかかり、課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。Acrobat Proなら、PDFで契約書を作成し、電子サインを依頼するだけで契約が完了するため、業務効率化を実現できます。

出勤を前提としない中小企業であれば、お客さまやメンバーとの紙の書類のやりとりがしにくいという問題もあります。例えば契約書では、法人の印鑑は今、誰が持っているのか、必要な製本テープやレターパックといった備品も個人で購入するのか、それらの管理はどうするのかといった管理が大変です。特に「法人印は今誰が持っていて、次はいつ出勤するのか?」といったことを考えなくてはいけないという、自分の脳のリソースを有意義ではないことに使わざるを得ない感覚が嫌という従業員は多いです。Acrobat Proの電子契約を利用すれば従業員の働きやすさを変えることができます。

Acrobat Proの電子サイン機能を使って作成できる書類

電子サイン機能で作成することができる書類イメージ
Acrobat Proの電子サイン機能を使用することで作成できる書類

Acrobat Proの電子サイン機能を利用すれば、人事系の書類、営業系の書類、管理業務系の書類、不動産系の書類、サービス系の書類をPDFで作成できます。ペーパーレス化を推進し、業務効率化を進めましょう。

人事系の書類

Acrobat Proで作成できる書類の例として、採用通知書、雇用契約書、労働者派遣契約書などが挙げられます。Acrobat Proなら、雇用契約書や労働者派遣契約書などを複数の相手に一括送信できるため、書類送付の手間がかかりません。Acrobat Proを導入すれば、採用活動を大幅に効率化できます。

営業系の書類

Acrobat Proは営業活動の効率化にも役立つツールです。例えば、見積書、売買契約書、秘密保持契約書をAcrobat Pro上で作成できます。また、電子サイン機能を利用して、契約書に署名してもらうことも可能です。書類作成にかかる手間を軽減し、商談や訪問、顧客対応など、よりコアな営業業務に注力しましょう。

管理業務系の書類

Acrobat Proでは、決裁書、稟議書、その他の社内承認関連書類など、管理業務系の書類も作成可能です。決裁書や稟議書を紙で作成すると、社内で回覧・承認するプロセスに時間がかかり、業務効率が低下します。Acrobat Proを導入して、決裁書や稟議書をPDFで作成し、社内文書をペーパーレス化しましょう。

不動産系の書類

Acrobat Proで作成できる不動産系の書類には、重要事項確認書や賃貸借契約書などがあります。特に重要事項確認書は、令和4年5月18日より、相手方の承諾を得た場合はオンラインで交付できるようになりました。オンラインでの重要事項説明(IT重説)を導入すれば、契約手続きをよりスムーズに進められます。ただし、現時点では事業用定期借地契約は紙の書類での署名が必要となるため、注意しましょう。(令和5年9月6日時点)

サービス系の書類

販売やサービスに関わる書類も、Acrobat Proでペーパーレス化できます。例えば、納品書、検収書、注文書や発注書をAcrobat Proで作成し、相手方のサイン(署名)をオンラインで取得可能です。また、作成した書類はAdobe Document Cloudで一元管理されるため、書類管理の手間も省けます。

Acrobat Proの電子サイン機能の使い方

書類にサインをする人
Acrobat Proの電子サイン機能の使用方法

Acrobat Proの電子サイン機能は、簡単な手順で利用できます。電子サインの利用が初めての方も、すぐに慣れることが可能です。Acrobat Proの電子サイン機能の使い方を7つのステップで解説します。

PDFを作成する

Acrobat Proでは、Microsoft Officeを利用してPDFを作成できます。まずは「Acrobat」タブの「PDFを作成」をクリックしましょう。「PDFに変換」を選択すると、ファイルをPDFに変換できます。

PDFツールから「署名を依頼」を選択する

次はPDFに署名を行う手順です。作成したPDFファイルを開いて、「ツール」タブをクリックしましょう。ツール項目の「フォームと署名」の列にある「署名を依頼」を選択すると、署名ツールのウィンドウが表示されます。

署名者自身の署名を追加する

署名ツールを起動したら、署名者自身の署名を追加しましょう。署名ツールの「詳細オプション」を選択し、「自分を追加」をクリックします。「受信者」の下部に「自分自身」の項目が追加されていれば問題ありません。

署名依頼者の宛先を入力する

署名を追加したら、署名依頼者の宛先を入力します。「受信者の電子メールを入力」の欄に署名依頼者のアドレスを入力しましょう。その後、署名を依頼する相手の宛先も入力し、署名ツールの左下の「次へ」をクリックします。

署名フィールドを作成する

PDFに署名を付与するには、署名フィールドの作成が必要です。まず日付を入力する箇所をクリックし、「署名日フィールドに設定」を選びましょう。次に所属や氏名の入力箇所に対しても、同様に署名フィールドを設定します。

署名フィールドに署名する

署名フィールドの作成が完了したら、右下の「署名して送信」のボタンをクリックしましょう。その後、最初に署名依頼者の署名フィールドが有効になるため、キーボード入力または手書き入力のいずれかでサインを行います。

署名依頼を送信する

自分の署名を追加したら、「クリックして署名」を選択しましょう。署名依頼が「署名依頼者の宛先を入力する」の項目で指定した宛先に送られます。管理者は「すべての契約者」の欄から、いつでも署名状況を確認可能です。

Acrobat Proの電子サイン機能を活用して契約業務を効率化しよう!

書類にサインをする人達
Acrobat ProでPDFをフル活用してビジネスを円滑に進めよう

Acrobat Proの電子サイン機能なら、契約書の作成・編集・署名・保管をワンストップで行えます。PDFへの署名追加も直感的にできるため、電子サインツールが初めての方にもおすすめです。

より高機能な電子サインツールが必要な方や、SharepointやSalesforceなどの外部ツールと連携し、電子サインのワークフロー設計を行いたい方は、Acrobat Sign(旧Adobe Sign)を導入しましょう。

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